- ■ 受注先
- 国際協力機構(JICA)
- ■ 実施期間
- 2012年7月27日~2013年3月15日
- ■ 担当業務
- 輸出農業の開発可能性基礎情報収集及び調査
- ■ 担当者名
- 古野 一郎、江崎 秀之、丸山 芳子、吉田 智之、大石 喜久男(IC-Net社)
東ティモールは2002年に独立したが、国連や各国援助機関の支援協力も平和回復から産業開発へと重点を移しつつあり、JICAも従来の支援方針に追加して「産業開発の可能性」の基礎的調査を行った。
本プロジェクトは、同国人口の70%が依存している農業の中から輸出可能な農産物を選択育成する事で、農産物輸出関連産業の産業開発が可能かというテーマを設定し、基礎的情報を収集して事業化可能性を判断すると共に、実行に向けての幾つかの提案を行った。東ティモールは赤道近くの小さな島国であるが、高い山があるので標高差が大きく熱帯作物から亜寒帯作物までの農作物が生産可能である。又、長年に亘っての無農薬・自然肥料であり、いわば有機農業・自然農業である。近年、高所得国から中所得国にかけて急速に高まっている「安全・安心の農産物」へのニーズを対象に、Market inの視点から「売れる作物」を選択し、資機材調達・生産・集荷・輸送・貯蔵・輸出・販売のサプライ・チェーンを構築する事が可能か、というテーマである。
本プロジェクトでは、東ティモールでの現地調査で「輸出農業の必要最小限のサプライ・チェーン」の構築可能性を調査したが、インフラ不足の中で数少ないながらも、野菜栽培を開始した意欲的農業者と、農場から首都への輸送販売業者を発見することが出来た。又、輸出先の高所得国としての日本で、食品小売業・食品製造業・外食産業の8社程度を訪問面談調査し、「欲しい農作物」のサンプル調査も行った。最後の現地訪問では、当国政府及び各国援助機関を招いてセミナーを開催し、本プロジェクトのテーマと調査中間結果を報告すると共に、「売れる作物」の候補(売手の目から23品目、買手の目から15品目)とサプライ・チェーン構築モデル案を提案し、活発な議論を交わした。